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zymography

ほとんどのMMPは非活性型として分泌された後にセリンプロテアーゼなどにより活性化され、また、zymographyはMMPの酵素活性を調べる方法であると大まかに認識しています。 しかし、論文などを見ると、酵素活性を持たないはずのpro-MMPがzymographyで検出されているのをよく見かけます。 これはいったいどういうことなのでしょうか? pro型でも酵素活性は持ち合わせているのでしょうか? そうでないならば、どうして上記のような現象が起こるのでしょうか? 理解できずに困っています。よろしくお願いします。

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noname#24872
noname#24872
回答No.2

そのプロトコール本がどの本を指すのか分かりませんが、 >「酵素活性を回復させる」にあたるのでしょうか? 「回復させる」という表現は妥当ではありません。前駆体は、活性酵素が失活したわけではありませんから。「活性のない立体構造から活性のある立体構造に変化させる」のです。 >プロ型は泳動中は分子量が活性型より大きいためバンドは活性型よりも上部に検出されるが、泳動後のコンフォメーションの変化により活性型に変わった分が酵素活性を示し、ゲルが溶解され、染色により可視化される。ということでよいのでしょうか? その通りです。 >「MMPのタンパク量は区画間で同等なのに、酵素活性能の程度は異なる」というのはどういうことなのでしょうか? これはその前後の「活性化の効率」や「ウェスタンとの違い」と同じ問題なのですが、ペプチドの三次構造の組み方は複雑なので、活性の無いコンフォメーションに巻き戻ってしまう分子が少なからず生じてしまいます。 この点については活性型酵素も大同小異なのですが、プロエンザイムの場合は本来切り離されるべきペプチドが付いたままですから、これが活性型に巻き戻される際の妨害要因になり、活性型酵素との間に書き戻しの効率の差が生じるのです。 したがって、プロエンザイムの何パーセントが活性型になるかは、酵素の種類やザイモグフィーの条件によって異なり、一概にはいえません。ザイモグラフィーは、あくまで同一ゲル上でのバンドの相対比を比較すべきものであり、活性の絶対量を問題にすべき手法ではないのです。 当然プロエンザイムと活性型のバンドについて、ウェスタンにおける染色性の比と、ザイモヅラフィーにおける活性比とはパラレルにはなりません。

momomo33
質問者

お礼

迅速に対応していただいたのに返事が遅くなり、大変失礼いたしました。とても丁寧に解説していただき、非常に為になりました。どうもありがとうございました。

その他の回答 (1)

noname#24872
noname#24872
回答No.1

プロエンザイムがプロテアーゼによって活性化されるのは、ペプチドの一部が切断されることによって、酵素のコンフォメーションが変化するからです。 したがって、酵素のコンフォメーションを変えることができれば、プロテアーゼを使う必要もないわけです。 MMPの前駆体がザイモグラフィーで検出できるのは、SDS-PAGEの際SDSで変性したペプチドが、SDSがはずれて巻き戻る際に、元の不活性型ではなく活性型のコンフォメーションに変わるからなのです。

momomo33
質問者

補足

迅速なご回答ありがとうございます。 「SDSが外れて巻き戻る」というのが、プロトコール本にある「酵素活性を回復させる」にあたるのでしょうか? だとすると、プロ型は泳動中は分子量が活性型より大きいためバンドは活性型よりも上部に検出されるが、泳動後のコンフォメーションの変化により活性型に変わった分が酵素活性を示し、ゲルが溶解され、染色により可視化される。ということでよいのでしょうか?(ちなみにプロ型のコンフォメーションの変化(プロ型の活性化)はどれくらいの割合でおこるのでしょうか?) また、「MMPのタンパク量は区画間で同等なのに、酵素活性能の程度は異なる」というのはどういうことなのでしょうか?プロ型と活性型の違いならば、バンドの検出位置が異なるのでわかりますが、同じ活性型にもかかわらずウエスタンとザイモで検出されたバンドが異なるというのはいったい・・・?

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