• 締切済み

THFとエバポレーター

こんばんわ。とある一学生です。 是非御意見をお聞かせ下さい。 来週からTHFを溶媒とした合成実験を予定しています。 生成した物質をNaCl Soln.およびNa2SO4で洗浄・乾燥した後、 カラムクロマトでの精製を行う予定なのですが、その前段階として エバポレーターでの濃縮を行う必要があります。この濃縮について THFが溶媒ということもあり、粗結晶が析出するまで、つまり 溶媒が乾固してしまうまで濃縮してしまっても良いものかどうか 迷っています。洗浄操作でTHFが抜けてしまえば、完全に溶媒を 飛ばしてしまっても問題はないと思うのですが・・・。 是非この点について御意見をお聞かせ下さい。 また、この合成に関する論文中に、(洗浄操作の前に)塩化アンモニウム NH4Clで「quenching」する、という旨の記述が見られたのですが、 このquenchという意味についても知見を伺いたいと思います。 この合成でモノを作り、来月には物性測定に行きたいと思っております。 よろしくお願い致します。

  • 化学
  • 回答数3
  • ありがとう数6

みんなの回答

  • rei00
  • ベストアンサー率50% (1133/2260)
回答No.3

 お書きの一連の操作は次の様になると思います。  ・NaH でアニオンを作り,求核反応を行なう。  ・NH4Cl でクエンチして,反応をストップする。 (・THF をエバポレ-タ-でとばす=濃縮する)  ・5%塩酸を加え,塩化メチレンで抽出する。  ・塩化メチレン層を飽和食塩水で洗浄する。  ・塩化メチレン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥する。  ・濾過した後,溶媒を留去し,粗生成物を得る。  ・カラムクロマトで精製する。  で,ご質問は上記の()で括った濃縮操作で完全に溶媒をとばしても良いかどうかでしょうか。これは,目的化合物の性質にも依ると思います。安定なものであれば,完全にとばしても構わないでしょうが,不安定な化合物であれば,この段階で分解してしまいます。  お書きの様子では,この様な操作には経験がないようですので,完全には濃縮しない方が無難です。場合によっては,濃縮しないまま(THF 溶液のまま),5%塩酸を加えて塩化メチレン抽出を行なっても大丈夫です。 > NH4Cl で「quenching」する、という旨の記述が見られたの > ですが、この quench という意味についても知見を伺いたい > と思います。  クエンチの意味については loveobo さんの回答がありますので,「水でなくて NH4Cl」と言う点に絞って補足致します。  この反応溶液は,塩基である NaH を含んでいます。ですので,そのまま水を加えると強アルカリの NaOH が生成します。これはあまり好ましい事ではありませんので,それを避けるために弱酸性の塩化アンモニウム(NH4Cl)を使うわけです。  なお,単に NH4Cl でクエンチすると書かれていますが,この段階で,水素の発生,反応による発熱,水素やアンモニアの発生による発泡,などが起こります。そのため,クエンチの方法にも様々な方法があります。例えば,・・・ 1)氷冷下に飽和 NH4Cl 水溶液を適当量加える。 2)固体の NH4Cl を適当量加える。 3)低温下(-40℃など)で反応している場合,飽和 NH4Cl 水溶液を加えて固まらせた後,徐々に室温に戻しながらクエンチを行なう。 ・ ・ ・  ところで,お書きの反応は合成経験のある方であれば簡単だと思いますが,質問文の様子ではそうは思えません(経験がおありであればお許し下さい)。お近くに有機化学の(あるいは,合成経験を持った)研究室はありませんか。そこの経験ある教官などに教わった方が安全だと思います。NaH は比較的安全ではありますが,水素ガスが発生しますので,爆発の危険がないとは言えません。そこまでいかなくとも,発泡して容器から噴き溢すという失敗は良くあります(って,よく失敗してちゃいかんだろうが)。  必要なら補足下さい。

  • loveobo
  • ベストアンサー率48% (102/210)
回答No.2

合成系の研究室でしたら、d_aokiさんの実験背景を知らないWeb上の アドバイスよりも研究室の先輩や先生にお尋ねになるほうが良いかと 存じますが・・・ 下層に来るジクロロメタンで抽出したいなら、水より軽いTHFが抽出時に 共存するのは不利ですから、quenchの後に(浴温を上げ過ぎずに) エバポして、THFを飛ばしたほうが良いかもしれません。quenchの際に 余剰のNaHが発泡(水素)するでしょうから、水は少しずつ加えましょう。 無水THFを使うのもNaHが水を嫌うからでしょうが、禁水試薬の中では NaHはおとなしい方ですから、モレキュラーシーブで充分と思います。 試薬のNaHは60%程度(残り40%は空気との接触を絶つための鉱油)です。 当量計算に注意するのは勿論のこと、抽出後の有機層にNaH由来の鉱油 (エバポで飛ばない非極性成分)が来ていることも忘れずに。 「操作に関しては未知の部分が多く」とのことですが、操作の意味を考える ことは大切と思います。実験を成功させるためにも、事故を防ぐためにも。

d_aoki
質問者

お礼

回答ありがとうございます。 大変参考になり、助かります。 >合成系の研究室でしたら・・・ ということなんですが・・・実は物理化学系の研究室でして 合成は専門ではないんですよ。しかし時期も時期ですし、 そのような事も許されない状態でして・・・ では、貴重なアドバイスありがとうございました。 実験操作をしっかりと勉強して実験を成功させたいと 思っております。今後何かありましたら、よろしく お願い致します。

  • loveobo
  • ベストアンサー率48% (102/210)
回答No.1

質問欄にお書きの範囲では「モノ」や抽出溶媒がわかりませんので、 何とも言えないところもありますが・・・ THFは水にも油にも馴染みますね。THFの水に対する溶解度は∞ですが、 水層の塩濃度が高ければ分層しますし、他の溶媒を加えて抽出しても 有機層と水層に分配されましょう。(なかなか水洗で除去しきれない) quenchした後のmixtureを濃縮してTHFを飛ばしてから、改めて別の 溶媒で抽出することもあります。いずれにせよ、極性溶媒であるTHFを 中途半端に残すと、カラム精製をコントロールしにくいかもしれません。 「quench」は、何らかの操作によって反応を止めることを指しますが、 有機合成では「非水系で反応させた後に水を加えること」を示すことが 多いです。quenchによってpHが急上昇するのを嫌い、緩衝作用を期待 して NH4Cl をよく使うようですが、反応系によっては無意味な習慣に すぎない場合もあると思います。

d_aoki
質問者

補足

こんばんは。早速の回答ありがとうございます。 私が合成を予定するモノについてですが、 アントラキノン系の物質です。反応溶媒をTHFとして NaHの存在下により合成し、それを精製してモノを得ます。 また、論文によるとTHFは無水を用いるとあるので、特級試薬を モレキュラーシーブスで乾燥したものを使用する予定です。 それから御指摘の抽出溶媒ですが、書くのを忘れていました(^^;) 5%塩酸とジクロロメタン(塩化メチレン)を用いて抽出します。 私自身、これらの抽出溶媒を扱うのは初めての経験なのでこの 操作に関しては未知の部分が多く、困っております。是非、 アドバイスをお願い致します。

関連するQ&A

  • ニッケル錯体の合成と精製

    ニッケル錯体の合成をし、2-ナフタレンスルホン酸ニッケルを合成しました。 ある文献には、溶媒エチルグリコール中で、塩化ニッケルと2-ナフタレンスルホン酸ナトリウムを混合し、還流後、析出物をろ過と書いてあるのですが、析出物が出ず、結晶が取り出せません。 濃縮してみようとエバポレーションしてみても、エチレングリコールの沸点が、196度と高く、溶媒をとばすことができません。 塩化ニッケルは、水に可溶ですが、2-ナフタレンスルホン酸ナトリウムは、水にも、多くの有機溶媒にも不溶でした。 この結晶(2-ナフタレンスルホン酸ニッケル)を取り出す方法を教えてください。

  • 分配操作後の脱水操作の意味

    水と有機溶媒を用いて抽出物を分配操作したのですが、 この後有機層に試薬を入れて脱水操作を行います。 この脱水操作の理由が分かりません。 有機層はエバポレーターで完全に乾固させるので水が少量混ざっていても問題ないような気がします。 脱水操作によって水を取り除く事により、水に溶けていた不純物を沈殿させ、濾過する事によって純度を上げているという事でしょうか?

  • LiAlH4の反応後の処理について

    水酸化アルミニウムリチウムを処理(quench)する方法の1つに、『0度に冷却した上で飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止する。この灰色のエマルジョンにトリエチルアミン/メタノール/酢酸エチル3:10:87の混合溶液(反応溶媒のTHFに対して2.5倍量)を加え、セライトなどを用いて濾過する。濾液を通常の分液処理し、目的物を得る。』とありました。 この文章からすると、塩化アンモニウムでLiAlH4をつぶしているということになりますが、どのような反応式でクエンチしているのでしょうか? また、単に酢酸エチルではなく、トリエチルアミン/メタノール/酢酸エチル3:10:87をもちいる理由をご存知でしたら教えください。 よろしくお願いします。

  • TLCにおける紅茶と緑茶のRf値の違い

    高校の実験で、紅茶と緑茶からカフェインを熱水抽出したのち、酢酸エチルで液液抽出し、 エバポレーターで濃縮乾固させました。 これをカラムクロマトでフラクション1‐5に取り分け、TLCでこれらのRf値を求め カフェイン標準物質のRf値との比較でカフェインを同定するという実験をしました。 この時、緑茶由来のカフェインと、紅茶由来のカフェインで現れるスポットの数が違い Rf値にも差がありました。 このようなことが起こる理由はなんでしょうか。 やはり、緑茶と紅茶の含有成分の違いからくるのでしょうか。 また、カフェイン以外に観察される成分はどのようなものでしょうか。 お願いいたします。

  • 有機化学合成の本

    有機合成を行っているのですが、意味が分かりません。 教科書通り行えば、実験は終わるのですが、どうしてそこでその操作をするのかが分かりません。(溶媒の選択、ヘキサン洗浄、酸塩基など) 基本的な事を理解していません 有機合成実験初心者に適した本があえれば教えて下さい。 とくに操作の意味が分かってないのでそこを説明してくれる本を探しています。

  • ヘキサアンミンコバルト(III)塩化物

    今回以下の合成でヘキサアンミンコバルト(III)塩化物を合成したのですが反応式と、ヘキサアンミンコバルト(III)塩化物の構造が分かりません。誰か分かるという方は教えてください。お願いします (1)塩化コバルト(II)6水和物4gと塩化アンモニウム2.7gを30mlの水に溶かし、これに濃アンモニア水を一度生じた沈殿が再び溶けるまで撹拌しながらゆっくり加えた。 (2)活性炭を0.2gを加えた後、3mlの過酸化水素水ゆっくり加えた。 (3)泡が生じなくなるまでよく撹拌し、一夜放置した。 (4)析出した結晶を活性炭と共にろ過し、1~2%の希塩酸に加え温め溶かし出した。 (5)熱いうちにろ過して活性炭を取り除き、ろ液に5mlの濃硫酸を加えると橙黄色の微結晶が沈殿した。 (6)吸引ろ過し20%塩酸で洗った。 (7)再結晶は出来るだけ少量の温水に溶かし、ろ過した後、静かに放冷して結晶を析出させた。 (8)吸引ろ過し、少量の20%塩酸、エタノールで洗浄した。

  • 分析者の化学物質曝露に関して

    私は現在,大学院でダイオキシン類の測定をしております。 (1)試料中ダイオキシンの含有量も高く,標品も多く添加している (2)前処理で様々な有機溶媒や酸を用いる 以上のことから,実験中は自主的に活性炭マスクと眼鏡を着用し,分析操作を行っております。 皆様の研究室や企業では,分析者が有機溶媒や有害物質に曝露しないようどのような対策をとっていらっしゃいますか? 大学は企業に比べてそこらへんの安全管理がしっかりされていないように思うのですが・・・ 環境分析のみならず,有機合成や物性測定,どのような分野でも結構ですので,現状をお聞かせください。 また,効果的な対策等ありましたら,よろしくお願いいたします。

  • ヘキサアンミンコバルト((3))イオンについて

    この前化学の実験で、ヘキサアンミンコバルト((3))イオンの合成をおこなったのですが、その操作として、塩化コバルト六水和物に塩化アンモニウムを加えて水を加えた溶液に、活性炭と濃アンモニア水も加えました。これをよくかき混ぜた後、過酸化水素水を滴下して、滴下終了後15分間かき混ぜて、溶けずに析出した[Co(NH3)6]Cl3の結晶と活性炭を吸引ろ過しました。ろ取したものをビーカーに移し、これに希塩酸を加えて加熱し、[Co(NH3)6]Cl3の結晶を溶かしました。溶液が熱いうちに吸引ろ過して不溶の活性炭を除き、最後にろ液に濃塩酸を加えて、氷水中で冷却すると、[Co(NH3)6]Cl3の結晶が析出しました。 ここで、この実験における活性炭、過酸化水素水、濃塩酸の役割がよく分かりません。長い文章になって申し訳ありませんが、どうか回答お願いします。

  • boc保護の化合物の合成

    現在アミノカプロン酸(2HN-(CH2)5ーCOOH:ACA)のカルボキシル基がBOC保護された化合物を合成しようとしています。 カルボキシル基を保護してあり、アミノ基が保護されていない化合物が欲しいので探していて、ベンジル保護されている化合物はありましたが実験上使えないです。試薬としてあるなら教えて欲しいです! そこで上記の化合物の合成を検討しています。自分はカルボキシル基を選択的に保護できる方法を知らないので次のスキームで行っています。 1.ACAのアミノ基を無水酢酸でアセチル化(溶媒は無水酢酸、塩基はトリエチルアミン) 2.BOC2Oによるカルボキシル基のBOC化(溶媒はジオキサン、塩基はトリエチルアミン) 3.強塩基(NaOHaqなど)で脱アセチル化(溶媒はジオキサン/水、塩基はNaOH) 1をエバポにより溶媒を除去した後に2の反応を行い、分液操作によりAc-ACA-BOCを精製する予定です。 相談したいのは 1.このスキームで合成可能か。 2.1の後に精製する必要があるか。 3.直接カルボキシル基を保護できる方法はあるか。 4.脱アセチル化は100%いくか。 合成をメインにやっているわけではないので、不足している情報があると思います。 すぐに補足しますのでよろしくお願いします。

  • trans-及びcis-ジクロロビス(エチレンジアミン)コバルト(III)塩化物

    今回以下の合成でtrans-及びcis-ジクロロビス(エチレンジアミン)コバルト(III)塩化物を合成したのですが、反応式と構造式が分かりません。どなたか分かる方がいましたら回答お願いします。 trans-ジクロロビス(エチレンジアミン)コバルト(III)塩化物 (1)塩化コバルト6水和物5gを30mlの水に溶かし、これに10%エチレンジアミン水溶液20mlを加えた。 (2)この溶液に空気を激しく2時間通した後、溶液を蒸発皿に移し、濃硫酸13mlを加え、溶液の表面が結晶性の皮膜により覆われるまで湯浴上で加熱濃縮した (3)溶液を十分放冷した後、結晶をろ別した。 (4)ろ別した結晶を6M塩酸で洗浄した後、ろ液にはさんで乾燥した。 (5)結晶を蒸発皿に移し、湯浴上で塩化水素の臭いがほとんどなくなるまでよくかき混ぜながら乾燥させた。 cis-ジクロロビス(エチレンジアミン)コバルト(III)塩化物 (1)合成したtrans-ジクロロビス(エチレンジアミン)コバルト(III)塩化物を少量の水を加え、かき混ぜながら湯浴上で蒸発乾固させた。 (2)数滴の水を加えてろ過した後、結晶を少量の冷水で洗った。 (3)洗液初め緑色で徐々に薄くなり、洗液が紫色になったら洗うのをやめ、エタノールで結晶を洗い風乾させた。