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X線透過後の強度変化

stomachmanの回答

  • stomachman
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回答No.1

 ご質問のX線のエネルギーは、通常医療用に用いられているレベルであり、顕微鏡的なサイズの物を見るなどのごく特殊な応用を除くと、屈折・反射は無視できます。特定のエネルギーの光子だけを、完璧に傷のない結晶の表面にごく浅い角度で入射させて全反射させること(ブラッグ角反射)は理論上可能ですが、そのような完璧な結晶を作る方が間に合いません。  つまりレンズや反射鏡による集束は事実上無理です。集束させたければ、多方向からX線を照射するしかない。  X線光子のエネルギーと、透過する物質を構成する原子の種類だけで「質量吸収係数」が決まり、これに物質の密度を掛け算すると「線吸収係数」μ(単位 (1/mm))が決まります。  ですから、X線が単一のエネルギー、物質が単一の元素から成るのなら、透過したX線の強度I1は I1 = I0 exp[-μt] です。ここにI0は入射X線の強度、tは透過物の厚さ(mm)。  Radoisotopeが出すガンマ線ならmonochromaticつまり単一のエネルギーの光子ばかりなのでこれでオッケーですけど、X線管で作ったX線は多様なエネルギーEの成分I(E)を含みます。ここでエネルギーEの光子の数をJ(E)とするとき、I(E)=EJ(E)です。  これをX線の強度スペクトルと言います。エネルギーごとに線吸収係数μ(E)が異なりますから、 I0=∫I(E) exp[-μ(e)t] dE I1=∫I(E) exp[-μ(e)t] dE (いずれも積分は0~X線管の管電圧まで) ということになる。また透過物が複数種類の元素から構成される場合には、次のように考えれば良い。すなわち  元素iを比率P(i)で含む(i=1,2,...,N)というのなら、元素1だけで出来た薄い板、元素2だけで出来た薄い板、....を積み重ねたものをX線が透過すると思えば良いのです。それぞれの板ごとに上記の式で減弱を計算して掛け算していけばよい。  参考書は、「放射線物理の基礎」(東海大学出版会)など、色々あります。

mon3
質問者

補足

ご丁寧な回答ありがとうございました。しかし、私の質問の意図としては、屈折、反射を想定しての理論的な算出のつもりでした。ご指摘のように分析装置、X線リソなどのようにX線を集束した場合の(特殊な場合)X線の強度も求めたいのです。よって屈折や反射を無視せず行いたいのです。ここでいう反射は全反射です。この際に球面、非球面の物質を用いた場合の屈折率または反射率に対する透過率がどうなるのかということです。吸収係数だけでは求められないような気がするのですが?集光するわけですから単位面積あたりの強度は増加するものと考えています。また平板ではなく球面の物質に対してX線で通常の光学幾何学が適用できるのか?等分かりません。焦点距離の算出は適応できると文献で見ましたが。(適用できるとしても今のところ理解できておりません。)またエネルギーについても白色光だと理解に非常に苦しむのでまずは数10keVの単色光で行うつもりです。あと1つ気になるのですが、全反射は理論的には臨界角以下の入射光は100%反射すると考えてよいのでしょうか?吸収されるもの透過されるものもあるのでしょうか?よろしくお願いいたします。

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