• 締切済み

王水で不溶性。

イオン化傾向の強い金ですら溶かせる王水でも溶けない金属ってあるのでしょうか? 自分なりに調べてみたところ、タンタル、イリジウム、ロジウム、ルテニウムは溶けないようなことがあったのですが、他にあればどなたか教えてください。 また、王水で不溶性になるということはどういった機構で溶けないのでしょうか? 不動態を作るような感じだとは思うのですが…。

  • 化学
  • 回答数2
  • ありがとう数8

みんなの回答

  • anisol
  • ベストアンサー率48% (146/301)
回答No.2

王水に溶けない、または表面だけ侵される金属は、他にはニオブ、タングステンがあるようです。つまりバナジウム族元素についてニオブ、タンタルが、第VI族a元素についてタングステンが、白金族元素についてルテニウム、ロジウム、イリジウムが王水に耐える元素になります。 siegmundさんの御回答と同じく、私も白金族元素とその他の元素では状況が異なると思います。白金族以外の元素では不動態を作ることが王水に耐える理由で、白金族元素については確定的なことはわかりませんが、おそらく塩化物のできにくさ、また生じた塩化物の水への溶解性などが関わっているのではないかと考えています。 金の王水への溶解機構については、発生機の塩素によるものといわれています(王水の中に生成している塩化ニトロシルNOClによっては、100℃においても侵されない)。参考文献(※)には 「……金の溶解は式(3.8)に示すような単塩の生成のほかに、式(3.9)および式(3.10)に示すような錯塩の生成によって、大いに助けられている。       Au+3/2Cl2=AuCl3  (3.8)       AuCl3+Cl-=[AuCl4]-  (3.9)       Au+3/2Cl2+H2O=[AuCl3O]-- + 2H+  (3.10) 」 と書いてあります。それに対して、王水に不溶のルテニウム、ロジウム、イリジウムの塩化物は金属を塩素気流の中で赤熱させて作られるようですが、これらの塩化物の無水物は水にも酸にも溶けないようです。 つまり、金は塩素と容易に化合し、その塩化物は水に溶けて錯塩を作ることができるが、ルテニウム、ロジウム、イリジウムは塩素と化合しがたく、その塩化物も水に不溶ということが、王水に対する反応性が異なっている理由ではないでしょうか。表面に生じた塩化物が不動態となっていることも考えられます。 以上は今の段階での推測に過ぎず、私も専門家ではないため詳しいことはわかりません。 (※)参考文献 千谷利三:新版 無機化学,産業図書,昭和34年. (内容はやや古いですが、詳しい製法など具体的な記述が多くてわかりやすく、私が気に入っている本です。旧版は昭和22年発行のようで、名著と思います)

youyouyou
質問者

お礼

溶解機構についての丁寧な回答をありがとうございました。 僕なりにもう少し調べてみたところ、どうも、Moについても難溶性とのことでした。 さらに、Crについては、Cr2Nは難溶性ということがわかりました。 NOClの存在が関与していることについては知っていましたが、[AuCl3O]2-については知りませんでした。 そのような機構だったのですね。 まだまだ勉強不足なようです。 私なりには硝酸のほうが関与しているのかと思っていたのですがどうやら見当違いだったようです。 参考文献調べてみます。 私は一応化学屋のはしくれなのですが、専攻が生物化学で金属関係については全く見当もつかず、困っていました。本当にどうもありがとうございました。

  • siegmund
  • ベストアンサー率64% (701/1090)
回答No.1

物理屋の siegmund です. こういうことは素人ですが,昔々単なる興味で調べたことがあります. もう一度,理化学辞典など見てみました. ○ タンタル フッ化水素酸以外の酸に不溶 酸に不溶であり,強酸とくに硫酸に対する耐食性が強く, 150℃の発煙硫酸でないと溶けず,耐酸性は貴金属以上である ○ イリジウム 水,酸,王水に不溶. ○ ロジウム 熱硫酸,加熱した王水に可溶 ○ ルテニウム 水,酸に対しては安定であるが,空気を含む塩酸と王水には徐々に溶ける. なるほどね~. youyouyou さんの書かれているとおりですね. 上の4つのうち,タンタルと他の3つ(貴金属)はちょっと状況が異なるようです. 溶ける溶けない,は王水中で金属状態が熱力学的に安定かどうかで決まります. あとの3つが王水に溶けない(溶けにくい)のは, この熱力学的理由によるものだろうと思います. 不動態を作ると,熱力学的に金属状態が不安定でも反応が進まなくなります. タンタルは不動態を作っているように思います. > イオン化傾向の強い金ですら溶かせる王水 イオン化傾向の小さい,ですよね. 専門家の方の回答を待ちたいところです.

youyouyou
質問者

お礼

回答をどうもありがとうございました。 やはりタンタルは不動態をつくるのですね。 他は熱力学的安定性ということでこれについてはまったく考えていませんでした。 ひとつ利口になりました。 ロジウムについては粉末状だと徐々に溶けるらしいです。 >イオン化傾向の小さい,ですよね. そのとおりです。初歩的なミスです。 書き間違えました、すいません…。

関連するQ&A

  • ナトリウムと王水の反応

    高校化学のイオン化傾向の勉強をしております。 金属元素と酸の反応について質問があります。ナトリウムは希酸に溶けるということですが、酸化力の非常に強い”王水”には溶けるのでしょうか?? 『鉄やニッケルやアルミニウムが濃硝酸に溶けないこと』と同じような現象が起こるのではないかと疑問に思い、質問させていただきました。よろしくお願いいたします。

  • チタンって骨と結合するんですか?

    チタンは生体との相性がいいから使われるというのは知っていたのですが、骨と結合(融合?)すると聞いたのですがこれはどういうことでしょうか? チタンと骨が反応してくっついちゃうということでしょうか? またイオン化しにくいとのことですが、他の金属に比べてどらくらいイオン化しにくいのでしょうか? 学校で習ったイオン化傾向では金が一番イオン化しにくいと教わりましたが、金と比べてどうでしょうか?

  • イオン化傾向と沈殿の関係

    しばらく前に同じような質問をしたのですが、 調べてみるとますます訳が分からなくなったので再度質問させていただきます。 下の図は、金属イオンと負イオンが水溶液中で沈殿するか否かを示しています。 沈殿する所には色を変えて「↓」の印を入れ、 上の金属イオンはイオン化傾向の降順に並べてあります。 図を見ると、明らかに右の方、つまりイオン化傾向が小さい金属のほうが 沈殿しやすい傾向にあることが分かります。 ところでイオン化傾向とは、その金属の陽イオンへのなりやすさを示す指標ですよね。 その定義からいえば、金属が一度イオンになってしまえば、 それがほかの負イオンとくっつきやすいかどうかには関係しませんよね。 では、どうして図のようにイオン化傾向が小さい金属ほど、 そのイオンが他の負イオンとくっつき沈殿しやすいという相関があるのですか?

  • 固体の衝撃波速度

    固体の衝撃波速度を、剛性率等の他の物性値を用いて、計算で求める方法があれば、お教え頂けないでしょうか。  もしくは、以下に記した金属の、衝撃波速度(又は衝撃インピーダンス)のデータが載っているサイトのアドレスでも結構です。    タンタル、タングステン、イリジウム、白金、トリウム、ウラン  宜しくお願い致します。

  • Auの酸化について

    純金はイオン化傾向からも、イオンになりにくく、酸化もされにくい安定な金属であることは分かっているのですが、「しにくい」だけで、本当はするんですか?どのような状態ならしうるのでしょうか?液状にして表面積を増やすことも考えたのですが・・・ もし金の酸化に関する文献もあれば、教えていただけると嬉しいです。

  • 金や銀は水溶液の中でしかイオン化しないのか?

    こんにちは、 金や銀は、イオン化する前の状態は硬い 固体の状態ですが、イオン化しても 硬い固体の状態のままで分離させることは 可能なのでしょうか? 上記と同じことなのですが、金や銀をイオン化させる場合、 塩酸や硫酸、王水の中に入れる必要があると 思うのですが、イオン化させた金や銀を他の 物質から分離させて純粋な金、銀のみからなる イオン化した物質として取り出すことは可能でしょうか? また、水銀は常温で液体ですが、上記は 可能でしょうか?

  • 金は本当に錆びないのでしょうか

    金がイオンとして溶け出すということと、金が錆びないということは矛盾すると思っているのですが、そういうことはないのでしょうか。  自分自身、金属でかぶれたことがあり、金属アレルギーについて、以前からネット上で調べており、それらのサイトで「金は溶け出しにくいが、全く溶け出さないわけではなく、イオン化して溶け出し、アレルギーの原因になることがある」と書いてあったことから、自分の頭の中では、 金属が溶け出すというのは、マイナスイオンを失い、その分プラスの、金属イオンが溶け出す とイメージしているので、 アレルギーの原因になるほど溶け出すということは、マイナスイオンを失うと言えるので、酸化する(錆びる)と言えるのでは? と思い、矛盾しているのではないか?と最近気になっております。 水中で酸化するが空気中では酸化しないのか?それともマイナスイオンを失いはするが酸素とは化合しない性質があり、そのため酸化しないと言われているのか?といろいろ考えてしまっています。

  • 身の回りの合金の電食について気になっています。

     以前から、金属アレルギーについて気になっており、どの金属なら原因にならないのか、と考え、金は錆びないのか質問させていただきました。最近は、口の中にある金属が溶け出すことはないのか、と気になっています。  具体的には、歯科用の金属は合金なので、口の中のような液体が多い場所では、電食によってイオン化傾向の高い金属から溶け出すのではないか、と気になっています。

  • 学年末試験のテスト対策の問題が分かりません。

    高1化学のテスト対策問題です Zn、Cu、Agについて (1) お互いのイオン化傾向の大小の確認。 (2) 金属イオン溶液に他の金属を入れたときの反応。 (3) 電解液に入れたときの2つの金属の電位差 (正極、負極になるのはどちらか) テストが近いため 早急にお答えいただければありがたいです。 回答お待ちしております。

  • イオン化傾向の実例について

    高校の化学でイオン化傾向を習いますよね。 この時、コラムなどで書いてある話があります。 「タンカーの船底に、船の外壁の金属より、 イオン化傾向の多い金属の塊を付けておく。 すると、その金属の塊がまず海水と反応するので 海水による外壁の浸食を防ぐことが出来る」 こんな話を、読んだ覚えがあります。 実は、この話で疑問に思っていることがあるのです。 どうしてこのようなことが可能なのか? 例えばタンカーの端から、船底の金属の塊まで100mあるとします。 人間の目から見ると、100m先に鉄(外壁)よりイオン化傾向の大きい金属があるから そちらが先に反応する、と判ります。 しかし、当の鉄の分子(この言い方が妥当かは別として)の立場で考えるとどうでしょう。 海水が反応しようとしたとき、鉄の分子が 「100m先に自分よりイオン化傾向の大きい金属があるので、 まず、そちらに当たってくれ」 と主張することが、どうして可能なのでしょう。 分子レベルで考えると100mなんて、地の果てのような距離だと思うのですが。 金属内の自由電子が何らかの情報を与えているのでしょうか。 でも、電子に情報を持たせることが出来るのですか。 また、外壁を構成している莫大な量の鉄分子すべてに つねに情報を送り続けることがどうすれば可能なのでしょう。 高校、大学での科学の知識を完全に忘れている私にも解るように 説明していただけないでしょうか。 よろしくお願いします。