• ベストアンサー

HPLCでの内部標準とは

HPLCでの分析初心者です。 サンプル抽出時に、内部標準を加えることによって何が変わるのですか?基礎的なことだと思うのですが、難しくてよくわかりません。すみませんが、わかりやすく教えてください。

  • 化学
  • 回答数3
  • ありがとう数13

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
回答No.3

Text 形式しか使えないので、ちょっと書きにくいんですが、その点は堪忍してください。 まず Recovery Rate (回収率) から説明したほうが、わかりやすいと思うのでそちらから。また一般論にすると、却ってややこしくなるかもしれないので、具体的な数値を使います。ご自分で一般化してください。 Matrix: Plasma 1 mL を使う Analyte: Ci mg/mL I.S.: S mg を 1 mL の Matrix に加える。 ここで、検量線は、0 から始まり、数 Points の濃度にしますね。これを処理して、最終的に HPLC に Load するために調製した溶液 (processed sample) を 200 microL にするとします。 I.S. が、100% 回収できたとすれば、processed sample 中の絶対量は、S mg/ 200 microL = 5S mg/mL になりますね。このうち 20 microL を HPLC に Load するとすれば、I.S. は、0.5S mg 入ることになります。これに対応する Response (Ri) が、観察される筈です。 実際には、抽出過程でのばらつきがあるため、観察される Response は、Sample により R'i のようにばらつくはずです。この R'i / Ri を絶対回収率 (Absolute Recovery) と言います。 同じように、検量線の場合は、加えた Ci は既知ですから、同じように Absolute Recovery を求めることができます。 次に、各 Sample 内での、Analyte と I.S. の関係を考えます。Matrix 中には  Analyte Ci  I.S. S 入っていますね。この両者の、抽出などの過程で生じる Absolute Recovery が、一定値 (多少のばらつきはありです) a だったとすれば、processed sample 中には、  Analyte aCi  I.S. aS となるので、量は変化しますが、Analyte / I.S. の比は、一定になります。そこで、上げられた例のように、aS に由来する Response のばらつきは a に依存するので、Response がばらばらになることはありえます。ここで、Analyte の Absolute Recovery が、常に I.S. のそれに等しいのであれば、Analyte の Response も aCi になるので、Analyte / I.S. は、もともとの Matrix 中の比と同じになるので、検量線が、きれいに引けることになります。 これがまさに内標準法を採用する一つの目的です。検量線は、添加した濃度 (Concentration added) に対し、HPLC で得られる Analyte と Internal Standard の比 (Ratio of onserved Value) を回帰して、求めます。 これとは別に、絶対検量線法というのもあって、これは Analyte の Response そのものを回帰します。挙げられた例をこの方法で回帰したときには、ろくな検量線にはなりえませんね。これは Sample ごとの、Absolute Recovery のばらつきが大きいのです。このようなときにも、同じような Recovery を示す I.S. を用いることで、補正しているのです。 さて、もうひとつの方というのは、ここまでの話でお分かりのように、Analyte / I.S. が一定である、ことをまず証明、  具体的にはある狭い範囲での直線性を確認します。 した後、単独の試料に一定量の I.S. を加え、分析。Response の比から、濃度を出してしまうものです。これは、単なる溶液になっているなど、Matrix が単純な場合用いる方法です。予想値が高い場合は、希釈する程度の操作で済むときに使います。実際の使用例は、動物に薬物を投与するときの溶液 (正式な用語は、被験物質調製混合物) の濃度検定 (きちんとした濃度でなければ投与量が計算できませんから)、被験物質調製混合物中の被験物質の安定性 (調製した後一定条件下で保存している間に壊れないかどうか) を調べるときに用いています。No. 2 が言われているのは、これに相当します。 参考に挙げたのは、FDA の正式 Document で英語ですが、実際にどういう目的で用い、どういう処理をするか、判定基準も含めて、きちんと記載しています。可能であれば、一度読んでみてください。検量線の処理方法などは、世界的に authorize されているのはこの文書だけです。

参考URL:
http://www.fda.gov/cder/guidance/4252fnl.htm
muji324
質問者

お礼

大変ありがとうございました。基礎知識が無いのもさることながら、このようにきちんと頭の中が整理されていなかったことに改めて浅はかだったなあ、と思い知らされました。しかし、ごめんさい、50%くらいしか、理解できません。これからじっくり、文章を反芻していきたいと思います(3回くらい読み直す程度では、やはり無理がありました。)せっかくお教え頂いたFDA、少しずつになりますが、絶対読破(?)して使いこなせるようになりたいと思います。本当にありがとうございました。

その他の回答 (2)

回答No.2

有機合成からの簡単なアドバイス。質問の意図と合っているか解りませんが。。。。 用は内部標準化合物(正確に秤量)を基準にしてサンプル中の目的物の量を定量する方法です。IS法と省略しますが、非常に大切な操作です。 定量にあたっては、事前に検量線なるものを作らなければいけません。 何が変わるのですか?ではなく、何か変わってはいけないのです。成分も内部標準物質も反応することなく、できれば相互作用も無く存在することが必要です。

muji324
質問者

お礼

このような分析方法を考えだされた方は本当にすごいですね。感心します。「正確に秤量」することが改めて大事なことだと思い知りました(当たり前ですね)。 ありがとうございました。

回答No.1

Sample と言う言葉をどういう意味で使っておられるかよくわからないのですが、ある目的物質を含有した Matrix とみなした上での回答です。 例えば、Matrix をPlasma、HPLC で測定しようとする目的物質を Analyte とします (と言うかこういうんですが)。模式的に言ってしまえば、その Plasma の中には Analyte 以外のものが各種、大量に含まれていますね。そこで、Plasma そのものを HPLC に Load しても、何がなにやらわからない Peak になり、しかも Column の劣化も激しくなります。で、様々な方法で、Semi-purification を目的に、Analyte を Matrix から抽出 (これを 「サンプル抽出」 と言っているのではないかと、推測しています) して、Column に負担をかけず、且つ Analyte の Peak が Interference の影響なく得られるようにした上で、HPLC に Load することになります。 このときに、その抽出方法で、一体どの程度の Analyte が抽出できるのか (Recovery) は通常調べますが、どうしてもばらつきが生じます。Analyte が 100 あるとき、1 あるときで、Recovery が同じであれば、前者が 99 であれば、後者が 0.99 になりますが、ばらつきが激しいと、前者 90、後者 1 もありえます。実際の測定では、この 100 なり 1 なりに相当する Matrix 中の Analyte を測定することになり、観察できる値 (Observed Value) は、99、90、0.99、1 の数値になる訳です。 つまり 90 とでたから 90 である保証がありません。そこで内標準 (Internal Standard) が必要になってきます。Internal Standard は、その Character が Analyte になるべく近いものが望ましく、抽出過程で殆ど同じように動く、結果として Internal Standard と Analyte の Recovery が殆ど等しくなリます (正確には、それぞれの Recovery の比が一定であればいいんですが)。そこで、全ての Sample に一定量の Internal Standard を加えると、例えば Analyte の量 + Internal Standard の量、で示すと  100 + 50  50 + 50  1 + 50 のようになり、Recovery がそれぞれ、90%、80%、85% のようにばらついた、としても、抽出後は、  90 + 45  40 + 40  .85 + 42.5 のようになり、Analyte の絶対量の比は変わってきますが、Analyte / Internal Standard の比は維持されています。 また全ての Sample に一定量加えますから、全ての Sample の Recovery のばらつきを評価することもできます。 この一定比を維持できることから、既知量の Internal Standard を Sample に加えて分析し、HPLC 上の Peak Area または Height (Response) の比から、Sample 中の Analyte の量を計算することもあります。ひょっとして質問意図がこちらであれば、もう少し解説しますが。 また、わかりにくいところがあれば、補足します。

muji324
質問者

お礼

Recovery がそれぞれ、90%、80%、85% のようにばらついた、としても、抽出後は、  90 + 45  40 + 40  .85 + 42.5 のようになり、~ という部分についてですが、Internal Standardが45という分析値だったとき、その45が100%なのか、90%のばらつきの結果なのか、というのは何によって知ることができるのですか?一度、その量(濃度)だけのInternal Standardを作成してHPLCに分析にかけて得られたピークを100%とするのですか? 検量線を作るために濃度をふった標準液のInternal Standardが、ピークの高さも面積もばらばらだったことがあるのですが、検量線を引くとrの二乗が0.9999ときれいに引くことができました。それだけでも不思議だと思いましたが、このような時は、どの濃度の標準液のInternal Standardのピークを基準にするかで、未知試料のInternal Standardが、ひいてはAnalyteが変わってきてしますのではないのですか? 何度も読み返しました。わかりやすく(といいながら、質問をしてしまいましたが)答えてくださって本当にありがとうございました。そしてもう少し図々しくさせていただけるなら、最後の「ひょっとして質問意図がこちらであれば、もう少し解説しますが。」、是非お願い致します。

関連するQ&A

  • HPLCでの内部標準について

    細胞内のヌクレオチド量をHPLCにて測定しようとしています。細胞から過塩素酸にて抽出する方法を考えていますが、細胞数あたりのヌクレオチド量を算出したいと思っています。あらかじめ細胞に何かを取り込ませて、内部標準法で算出しようと思っていますが、このときに内部標準として用いるのに適当なものをご存知の方はいらっしゃいませんか? よろしくお願いいたします。

  • HPLCの内部標準物質について

    高速液体クロマトグラフ(HPLC)で内部標準法を採用したいと思っているのですが、 内部標準としては何が一般的なのでしょうか? HPLCに詳しくないので、ご存じの方、是非、お願いいたします。 今後の一般的な知識としても欲しいのですが、現在、欲しいと思っているのは  カラム:ODS系(ex.shim-pack CLC-ODS)  移動相:MeOH/リン酸緩衝液系 で用いれるものです。 是非、よろしくお願いいたします。

  • HPLCの溶媒ピーク

    HPLCの溶媒ピークについて質問です。現在、あるサンプルをUV検出器を利用してHPLC分析おこなってます。移動層はアセトニトリルと水&0.1%リン酸のグラジエントです。サンプルはメタノールに溶解して10μLでインジェクトしてます。標準曲線のR2も0.95以上の値がでてます。 何が疑問なのかというと、メタノールのみでインジェクトした時(気になってやってみました。)、メタノール溶媒のピークが標準サンプルのピークとまったく同じ場所に同じようにでてしまうのです。ピークAreaは標準サンプルの0.01mg/mlと同じくらいの値です。これはどうしてでしょうか?シリンジをよく洗浄しても同じようにサンプルとほぼ同じ場所にピークが検出されます。原因がよくわかりません。 ご教授お願い致します。

  • HPLCの液ー液抽出について

    HPLCにて液ー液抽出を試みています。 そこで質問なのですが、液ー液抽出があるHPLCの場合、キャリブレーションやコントロールはどのように調整すれば良いのでしょうか? 通常は純粋やHPLC用のメタノールなどで標準物質を溶かして調整したものをキャリブレーションと用い、サンプルと同じ溶媒にて調整したものをコントロールとして測定しているのですが、現在はpHや溶媒などが一定でないサンプルを使用しています。 液ー液抽出する場合、pHや溶媒によって影響を受けますよね? サンプルのpHや溶媒が一定でない場合、純粋などで調整したバイアルをキャリブレーションとして用いてよいのでしょうか? また、どのように対応したら良いのか教えてください。

  • HPLC初心者です。培養上清の分析について

    HPLC初心者です。 酵母の培養上清中の成分をHPLCで分析したいのですが、 その場合、培地の上清をそのままサンプルとし、分析していいものでしょうか。 遠心分離等、何か処理をすべきでしょうか。 どなたか教えて頂けると幸いです。

  • HPLCの前処理として適切でしょうか。

    HPLCで試料及び標準品を調製する際に、 標準品は純粋なものを使用し、希釈溶媒は目的成分の抽出溶媒あるいは 移動相というのが一般的です。 又、試料に関しては他のものを新たに加えるのではなく、試料中の目的成分以外のものをできるだけ取り除くように処理するのが一般的だとおもうのですが、目的成分の綺麗なピークを得る為に標準品と試料に添加剤みたいなものを加える方法はHPLC分析法として適当なのでしょうか。(移動相には添加剤は加えない。) こういう分析方法で分析を行っている方おられますでしょうか。 例)・標準品に0.1%硫酸銅水溶液を加える。→メタノールで全量を50mLとし、標準品とする。   ・試料をメタノールで抽出し、硫酸銅水溶液を加える。→メタノールで全量を50mLとし試料溶液とする。   ・移動相:メタノール:水(3:2) 宜しくお願いします。

  • 内部標準物質(I.S.)の抽出率の求め方

    内部標準物質の抽出率の求め方が分かりません。 抽出操作の含まれる実験で用いるのですが、抽出率を求めるよう指示されました。 実験では有機層にI.S.となるものを加え、溶媒留去(evapo)し、移動相に再溶解してHPLCにinjectionします。 宜しくお願い致します。

  • HPLC 標準物質の溶媒

    HPLC初心者のものです。基本的なことですが、教えて下さい。 HPLCである物質Aを測定しようとしています。そのために、固体Aを使って20ppmと50ppmのAの標準物質の溶液をつくっています。標準物質の溶液をつくるときは、その溶媒はふつうの蒸留水をつかっていいのでしょうか? それとも、溶媒に移動相と同じ溶液をつかうべきでしょうか? 宜しくお願い致します。

  • HPLC 色素分析

    初めまして!! 次の実験から液クロを使うことになったので、色々と調べ物をしているところで、ド素人なので簡単に教えて下さると助かります!! よろしくお願いします。 まず私の実験はクロレラの粉末から色素を抽出し、HPLCで分析する、といったものです。 学校にあるHPLCはグラジエント機能がなく、イソクラティック法で分析します。クロレラのHPLC分析でイソクラティック法でやっている文献【論文】を探してますが、、、見つからず困っています。 どうしたらよいのでしょうか…

  • HPLC分析の技術移転

    HPLC初心者です。 HPLC分析をメーカーの異なる機器へ技術移転したいのですが、新機種では内標準物質と標準品の間に雑ピーク(?)が検出され、そのピークが繰り返し測定のうちに標準品のピークに重なり、困っています。 ちなみにHPLC本体は異なりますが、カラム等は同じものを使用しています。 洗浄を繰り返すことにより、雑ピークが元の位置に戻りますが、この様なピークを今までに検出したことがないのですが、どのような対応を図るべきか、ご教授いただきたいと思います。 宜しくお願い致します。